テイスティング・セットで焼酎をニューヨーカーに紹介
昨年12月にニューヨーク、マンハッタンのローアー・イーストサイドにオープンしたレストラン「酒舞(さかまい)」。周辺は最近開発が進んで、新しいホテルやおしゃれなレストランやカフェが次々と新規開店している注目のエリア。
客席数は約70席、入り口部分は気軽に寄れる立ち飲みバーになっている。メニューにある日本酒は約60種類、焼酎は23種類で米、麦、柑橘、芋、黒糖、蕎麦の各種がある。中でも芋焼酎は9銘柄を揃えていて、ニューヨークでの芋焼酎人気がうかがえる。
同店で、3月17日に「京屋酒造」の焼酎イベント「Kyoya Distilley Shochu Flight Night」が行われ、代表取締役社長の渡邊眞一郎さんもこのイベントに日本から駆けつけた。渡邊さんは「米国へ焼酎を輸出し始めて10年、最初は5、6年でなんとかと思ったが10年かかった。ウィスキーやウォッカとは違い、食事と一緒に楽しむ蒸留酒として米国で定着させたい」と話す。
焼酎の説明書と一緒にサービスされた、左から「J-Chord 901 Hebess(Citrus)Shochu/ヘベスリキュール」、「河童の誘い水」、「平八郎」
この日、テイスティングで提供されたのは「河童の誘い水」「平八郎」そしてこれから米国で売り出すという新しいリキュール「J-Chord 901 Hebess(Citrus)Shochu/ヘベスリキュール」の3点セットで20ドル。ヘベス(平兵衛酢)とは宮崎県特産の夏の酢みかん、「すだち」よりも少し大きく「かぼす」よりも香りがやさしい柑橘類だ。「河童の誘い水」と「平八郎」はロックで、「ヘベスリキュール」は水割りでサービスされた。同店では日本酒の3点テイスティング・セット、「熱燗セット20ドル」「にごり酒セット19ドル」「生原酒セット26ドル」など5種類を揃えているが、まだメニューには焼酎のテイスティング・セットはない。この「Kyoya Distilley Shochu Flight Night」を機に、今春から焼酎の3点テイスティング・セットもメニューに加える予定だという。
左から店の共同経営者でマネージャーのNatalie Grahamさんとジェネラル・マネージャーの鈴木康之さん
ジェネラル・マネージャーの鈴木康之さんは「米国では焼酎も日本とは飲み方が違う。お客様にはウィスキーやウォッカなどのスピリッツを飲む感覚で焼酎を飲んでもらいたい」と話す。「セットにした3種類の焼酎を飲み比べてもらい、まずは米国人に焼酎とはどんな飲み物なのかという教育から始め、店のスタッフにも英語で焼酎を正しく説明できるように教育していく。水割りやロックなど飲み方もお客様に選択させて、次に来た時はまた別の飲み方で楽しんでもらいたい」と話す。
鈴木さんお勧めの焼酎に合う料理は、小さなクリスピーなトーストの上に軽く焼いたウニが載った「Uni Crostini」(8ドル)、フォアグラのような濃くのある味わいが絶品。もう1品はローストした牛の骨髄とフィレミニョンのタルタル「Roasted Bone Marrow & Steak Tartare」(22ドル)。濃厚な味わいが芋焼酎とよくマッチする。
店では、今後も定期的に焼酎イベントを企画して、焼酎ファンを増やして行きたいという。
ローストした牛の骨髄とフィレミニョンのタルタル「Roasted Bone Marrow & Steak Tartare」(22ドル)
トーストの上に軽く焼いたウニが載った「Uni Crostini」(8ドル)
酒舞
- address:Ludlow Street, New York, 10002
- URL:http://www.sakamai.com/
「酒舞」焼酎メニュー(グラスの価格)
米
- Hakutake Shiro $12
- Torikai $12
- Yokaichi $9
- Zuisen 8yr $11
麦
- Mugi Yokaichi $9
- Kannoko $11
- Kakushigura $10
- Iichiko Frasco $20
- Gokoo $15
- Gankutsu Ou $12
柑橘(シトラス)
- Sudachi $8
芋(さつまいも)
- Akakirishima $9
- Heihachiro $17
- Ikkomon Beni $12
- Kappa $15
- Kiccho Hozan $13
- Kurokame $11
- Satsuma Shiranami $9
- Tenshi no Yuwaku $22
- Tomino Hozan $13
黒糖
- Jougo $9
- Amami $11
蕎麦
- Towari $12
「酒舞」では3月19日には焼酎と泡盛、日本酒をベースにした6種類の「J-chord」シリーズでのテイスティング会も行われた。同シリーズは九州と沖縄の6蔵の酒造会社が海外市場開拓を目指して共同開発したブランド。瓶はイタリア製のハーフサイズのワインボトル、栓はガラスのチェコ製。同シリーズは今後、米国で販売する予定、価格は未定。
- 「J-Chord 302 十和音/極上赤酒(日本酒ベース)」(千代の園酒造)
- 「J-Chord 503 十和音/本格麦焼酎」(八鹿酒造)
- 「J-Chord 801 十和音/うめ酒」(大賀酒造)
- 「J-Chord 802 十和音/ゆず酒」(窓乃梅酒造)
- 「J-Chord 903 十和音/シークヮーサー梅酒(泡盛ベース)」(瑞泉酒造)
- 「J-Chord 901 十和音/ヘベスリキュール」(京屋酒造)
6種類の「J-chord」シリーズ。左から302/極上赤酒、503/本格麦焼酎、801/うめ酒、903/シークヮーサー梅酒、802/ゆず酒、901/ヘベスリキュール