~第7回~ 長寿の薬、本格焼酎&泡盛 末梢循環を良くし、老化を防ぐ
今回は、新赤坂クリニックの院長・松木康夫先生にお話を伺いました。
松木先生は、健康についての著作を多く持つ、言わば健康のスペシャリスト。
さて、どんなお話を聞かせていただけるのでしょうか?
昭和8年東京生まれ。慶応大学医学部大学院卒業。米国エモリー大学で病理学、タフト大学で血液学を専攻。帰国後、母校の大学病院勤務の後、昭和44年新赤坂クリニックを設立、院長となる。600社余りの健康管理を行うかたわら、講演、ラジオ・テレビ出演など活躍は多岐にわたる。『酒と上手につきあう秘訣』『社長の健康法』など著書多数。
~第7回~ 長寿の薬、本格焼酎&泡盛 末梢循環を良くし、老化を防ぐ
人生80年時代といわれますが、お酒の飲める人には倍の160年の人生があると思っています。酔っぱらったときの人生としらふの人生、あるいは昼間の仕事と夜の遊びの、ふたつの人生が経験でき、お酒を飲めない人の倍楽しむことができるからです。
現に僕は、365日お酒の切れる日がありません。酒の誘いはひきもきらず、ときには1日に数軒ハシゴすることもあります。お陰でたくさんの人と知り合い、その後も一緒に飲むようになった飲み仲間はたくさんいます。飲むほどに口が滑らかになり、話も弾みます。
毎日お酒を飲んでそのうえ健康になるなんて、すごくいいわね! 私も見習いたい!
だからといって、酒のせいで仕事をおろそかにしたことはありません。月に1回は肝臓の検査をしていますが、肝機能はいつも正常。脳だって客観的に見てもボケていないし、精神も正常です。なぜなら、酒は古くから“百薬の長”と言われるように、たくさんの薬理効果があり、健康増進に役立っているからです。僕はその効果を最大限活かした飲み方をしているから、毎日、酒を飲んでも健康でいられるのです。
かって、日本人の長寿の秘密を探るために海外から調査団が訪れたことがありますが、そのときの結論は、風呂の入り方でした。最初、首から下をどっぷり湯につかり、浴槽の外に出て体を洗い、再び、湯船に入る。この日本式入浴法は、末梢に至るまでの血液の循環をよくします。人間の体には、約60兆もの細胞があり、毎秒、新鮮な酸素と栄養を必要としていますが、それは、血管を通る血液によって細胞へ運ばれています。
血管は、若いときは柔軟でよく開いており、血液が非常にスムーズに流れますが、年をとるにつれ血管は硬くなり、コレステロールがたまって血液が流れにくくなってしまいます。年をとると高血圧になるのはこのためです。老化は末梢循環の悪化だと言う人もいます。つまり、末梢循環を良くすればするほど老化を食い止め、長寿に結びつくということです。
その働きをしてくれるのが日本式入浴法であり、アルコールです。アルコールは「飲む風呂」といわれるほど、血液の循環を良くします。よく知られた話ですが、長寿でギネスブックに載った徳之島の泉重千代さんは、亡くなるまで黒糖焼酎の晩酌を楽しみにしていました。
お風呂とお酒って、同じ効果があるのね。
どっちも大好きな私だから、健康でいられるのかな?
それでは先生、どうもありがとうございました。