~第9回~ 本格焼酎&泡盛は長寿の薬!?
松木康夫先生
前回に引き続いて、
新赤坂クリニックの院長・松木康夫先生にお話を伺いました。
誰もが気になる、心筋梗塞や脳卒中とお酒の関係についてのお話です。
~第9回~ 本格焼酎&泡盛は長寿の薬!?
80歳、90歳でも元気で酒をよく飲み、よく食べる人の血液を調べてみると、HDLコレステロールが非常に高く、逆に早死にする人は非常に低いことがわかりました。
コレステロールにはHDLコレステロール(善玉コレステロール)とLDLコレステロール(悪玉コレステロール)の2種類があります。善玉コレステロールには、血管に付着する脂をとる働きがあり、逆に悪玉コレステロールは、血管壁や細胞に沈着して動脈硬化を促進させますが、長寿者の血液にはこの悪玉コレステロールが少ないのです。
本格焼酎や泡盛をはじめとするアルコールには、善玉コレステロールを増やす働きがあることがわかっています。善玉コレステロールが増えれば、血管壁がきれいになり、動脈硬化を予防することができます。
高齢者がかかりやすい病気に心筋梗塞や脳梗塞があります。人間の体は出血すると血小板を中心とする血液凝固メカニズムが働いて、出血が止まりますが、年をとると血栓が出来やすくなって、血液の循環が悪くなってしまいます。これが脳梗塞や心筋梗塞につながってしまうのです。
つまり、心筋梗塞や脳卒中の原因になる血栓ができるのを予防してくれるのね!
脳梗塞や心筋梗塞の治療には、頸部からカテーテルを入れて、血が固まったところにウロキナーゼを入れると、血液の固まり、つまり血栓が溶けて血液の循環がよくなりますが、このウロキナーゼはアルコールによって増えることもわかっています。中でも本格焼酎や泡盛には、この物質が特に多く含まれているという研究報告もあります。
体内にはトロブキサンA2という物質が、血液の循環を止める血栓をつくる働きがあることがわかっていますが、これは年をとると増えてきます。本格焼酎や泡盛には、このトロブキサンA2を抑える働きがあることもわかっています。つまり、血栓を溶かす働きを高め、血栓をつくる働きを抑えるのです。
日本人の死因の上位を占める病気に心筋梗塞や脳卒中がありますが、本格焼酎や泡盛の薬理効果を上手に利用すれば、心筋梗塞や脳卒中で亡くなる人が減少し、ますます日本人の平均寿命は長くなるかもしれません。
もちろんそのためには飲み方が大切です。適量を知り、マイペースで楽しく飲む。物を食べながら飲んで、週に2日の休肝日をつくることも大切です。そして、3か月に一度は肝臓の検査をすることが、本格焼酎・泡盛を友にする理想的な飲み方といえます。
心筋梗塞や脳卒中にも、本格焼酎と泡盛がいいのね。
お父さんに教えてあげなきゃ!
それでは先生、どうもありがとうございました。