カラダに元気!

~第24回~ 造り手の顔が見える安全なお酒を

今井通子先生

登山家・医学博士
今井通子先生

前回に引き続いて、
登山家・医学博士 今井通子先生に、
「環境と健康にやさしいお酒を」というテーマでお話を伺います。
どんなお話を聞かせていただけるのでしょうか?

~第24回~ 造り手の顔が見える安全なお酒を

「地産地消」という言葉があります。大分県知事の平松さんという方が掲げていることですが、地元で作ったものを地元で消化するということです。誰がどのような土地で作っているのか、その種はどういうものかを知ることは、食品の安全性の上でもとても大切なことです。若い人にはあまり関心のないことかもしれませんが、特に意識してもらいたい問題です。しかし東京では、なかなか難しいので、私は「地元で作って地元で消費したおこぼれをもらう」と言っていますけど。私自身も、有害化学物質はなるべく取り込まないように心がけています。

体に悪い有害物質を遠ざけるのって、体に良いものを選ぶのよりも難しそう!

以前は、病気になっても原因が分からずに、例えば肝硬変をおこすとお酒そのもののせいにしたり、タバコに発ガン性物質があるとか、コーヒーにすい臓ガンの原因があるとか言って、タバコの葉やコーヒー豆のせいにしたりしていました。でもそうだとは言い切れないかもしれません。タバコの葉にしても、巻いている紙のダイオキシンが影響しているかもしれないし、コーヒーにしても、使っているフィルターに原因があるかもしれません。

お酒も、お酒そのものではなくて、一緒にとっているつまみのほうに原因があるかもしれません。あるいは容器に原因があるとも考えられます。ですから、できればお酒の容器も紙パックやプラスチックボトルよりは、瓶がいいですね。いくらお酒自体が安全なものでも、容器から有害物質が入る可能性も考えられます。一つの側面では判断しきれない部分があるということです。ですから私たちは、一面だけでなく、いろいろな側面から判断して、物事を総合的に見る必要があります。

逆のこともいえます。いくら健康に良い、と言われているものでも、そればかりに偏っていては、健康どころか害になってしまいます。全て、バランスを考えなければいけません。

いずれにしても、「地産地消」の、素性の分かっている材料を使い、昔ながらの製法――つまり化学物質を使わない方法で作っているようなものを選ぶことは、健康の面でも重要なことだといえます。本格焼酎や泡盛は、古くから日本人になじみの深い、米やいもなどを原料とし、昔からの伝統的な製法で造っているところが今でも多いと聞きます。造り手の顔が見える、安全性の高いお酒といえるのではないでしょうか。

その材料から製造法まで、造り手の顔が見える「本格焼酎と泡盛」は、
安全性を気にした時にすごく賢い選択ってことですね。
それでは先生、どうもありがとうございました。

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