~第23回~ 自然原料の安全性
今井通子先生
前回に引き続いて、
登山家・医学博士 今井通子先生に、
「環境と健康にやさしいお酒を」 というテーマでお話を伺います。
どんなお話を聞かせていただけるのでしょうか?
~第23回~ 自然原料の安全性
酒類はもちろんですが、一般的に口に入る食品全般に関して、気をつけなければいけない点がいくつかあります。今ですと、有害化学物質が入っているかどうかです。食べ物だけでなく、容器の成分から入ってくるかどうかも注意が必要です。これらを摂ることで、次代の子供達への影響が懸念されます。男性の女性化、女性の更なる女性化を含め、羊水の中に有害化学物質が露出してきて、生まれてくる子供に脳の障害が起こるという研究もあります。前回も話したように、自然界にあるものには、両方の作用があるものが多いので、健康のことも、現代の環境に照らして考えなければいけません。そう考えると、食べ物は無農薬・無化学物質によって栽培されたものが一番安全だと言えます。
これからは気を付けて、しっかり安全なものを選ばなくっちゃ!
去年、日本において、アメリカからの輸入とうもろこしの中に、輸入していないことになっている遺伝子組み替えとうもろこしが入っていたことがありました。このとうもろこしは、もともと防虫効果が高いものということで作られたものです。虫は、アルカリで消化するので、アルカリで消化できないものを作ったのですが、これが人間にも影響を及ぼし、アレルギー性疾患が出てしまいました。アメリカでは直ちに政府が全て焼き払って、農家に保証を出しました。これが、なぜ日本に輸入されたとうもろこしに含まれていたのか。原因を調べてみると、どうやら交配能力を強くしてあったために、となりの畑にも交配したものが混じっていたようです。作る側も、遺伝子組み替えのものとして作っているわけではないのですが、そういった危険性もあるわけです。
日本は海に囲まれているので、そういったリスクは少ないです。ですから、お酒もその原料も、輸入したものよりは日本で作ったものの方が安全性は高いと言えますし、その出所が分かっているというのは安心です。輸入品のもう一つの問題に、ポストハーベストがあります。育てるときに農薬を使い、さらに輸出するときに、また防腐剤をかけるので、二重の化学物質汚染が起こります。国内の移動であれば、無農薬で作った国産品のものを、ポストハーベストをかけずに運ぶわけですから、輸入に比べて二重に良いといえます。地元で作った原料の味を生かして造る本格焼酎や泡盛は、安全性においても優れているといえるでしょう。
それぞれの地元の原料をその収穫期に合わせて作る「本格焼酎と泡盛」。
味だけでなく、安全面でも二重丸ってことですね!!
それでは先生、どうもありがとうございました。