第9回:私と本格焼酎の出会い
焼酎現場初体験の衝撃!!
このコーナーも回を数えること9回目になりました。ご質問もあったようですので、簡単に会社と私の自己紹介、私が体験した強烈な本格焼酎との出会いなどについて書かせてもらいます。
私は本年で43才、社会人になったころに第一次チューハイブームの洗礼を受けた世代です。その頃は酒好きが高じてウイスキー会社に就職したのですが、毎月未達の数字を眺めては、ため息をついていたものです。
その後、会社を替わり、1991年に今の仲間と酒文化研究所を設立。はじめて本格焼酎の仕込み現場を見たのが、それからしばらくした秋の鹿児島でした。恥ずかしながらそれまではいも焼酎に新酒があることも知らず、フルーティーな香りのする軽い味わいに感動しましたが、一番ショックだったのは、もろみの元気のよさでした。清酒のように米麹の中にいもを仕込むのですが、吸水性の高いさつまいものこと、ホウロウ桶の表面は、一見カチカチになってくるのです。しかし内部では発酵が進み炭酸ガスが溜まっていきます。そして、その圧力によって、大きな音を立てて爆発するのです。その激しさは、雹が降るときにトタン屋根の下にいるようです。目に見えない微生物の不思議な力を体感した一瞬でした。