第18回:世界の中の焼酎(3)
ブームで終わらない!? 人気沸騰で総合商社も乗り出す焼酎ビジネス
焼酎ブームの中で新しく焼酎ビジネスに参入する企業が後を絶ちません。総合商社では、三井物産が九州の蔵元と提携して焼酎ルネッサンスという事業を立ち上げています。これは産地の中小蔵元と提携して、新しくこだわりの商品を開発、三井物産が首都圏や全国の酒屋へ直接販売するというものです。比較的貯造酒が多いように思えますが、総合商社が料飲店への商品導入まで促進しているあたりにも特徴があるようです。
一方で、酒業界の中では、ビールメーカーが総合酒類化という目標を掲げて、同様に次々に参入してきています。
一昨年から台湾産の麦焼酎の輸入販売をはじめた1社が、7月に首都圏各所で消費者への焼酎セミナーを開催していたので、早速参加してみました。講習内容は予想以上に丁寧で、蒸留酒の歴史からはじまり、甲類焼酎、乙類焼酎の製法の違い、本格焼酎の産地や原料別の特徴をスライドでわかりやすく説明して、最後には原料別の焼酎のきき酒テストと焼酎を使ったおいしいカクテルを作って終了というもので、宣伝色も薄く、よい企画でした。
日本を代表する大手企業が続々と焼酎ビジネスに関心を示すあたりは、焼酎は一過性のブームではなくて、定着した消費になると考えている人が多いということでしょう。