第26回:混和焼酎
焼酎を選ぶときにはラベルをよく見よう
焼酎には本格焼酎・泡盛と甲類焼酎の2種類があります。本格焼酎は名前のとおり昔から日本で造られてきた伝統的なお酒で、酒税法という法律上の定義では、単式蒸留器やカブト釜で一回だけ蒸留したお酒です。蒸留後のアルコール度数も45度以下なので、元の原料の風味や特性を強く残しています。これに対して、甲類焼酎は20世紀に実用化された連続式蒸留器を使って純粋なアルコールに近いものを造り、そこから飲める度数にまで割水して作るお酒です。同じ焼酎という名前の蒸留酒でも甲類焼酎と本格焼酎は基本的な製法が異なるお酒です。
最近はこの両者をブレンドして造る甲乙混和麦焼酎というものも増えてきました。見分ける方法は、単に「麦焼酎とだけ書いてあって“本格”の文字がない」「甲乙混和焼酎とどこかに書いてある」のですが、普通は気がつきません。
価格も本格麦焼酎よりも安いので人気があるようですが、ファンタオレンジとオレンジ百%ジュースの違いと同じで似て非なるものとも言えます。「麦」焼酎と書くからには、「麦」由来の焼酎がどれだけ使われているのかは気になります。来年からは混和焼酎も、すべての使用原料名・ブレンド比率を明記することでようやく決着がつきました。
<< 「本格焼酎と泡盛」をもっと知りたい方は、初級編:基礎知識もご覧ください >>