第51回:出荷数量比較
焼酎の飲まれ方で日本の明日がわかる?
焼酎には主にチューハイなどに使う無味無臭の甲類焼酎と原料の風味や個性が生きる本格焼酎の二種類があることはみなさんご存じのことと思います。では、この二種類ではどちらの方が多く飲まれていると思いますか?
戦前はもともと日本各地で造られていた本格焼酎が多かったのですが、統計資料として、国税庁がこの二種類を分けて発表するようになった1962年以降は、常に甲類焼酎の方が上回っていました。昨年秋に途中経過を数字で見たところ、ここ数年の本格焼酎ブームで逆転が起こりそうな予感を持ったことはすでにここでも一度ご紹介したかと思います。
先日国税庁及び財務省関税局(輸入焼酎)から、昨年一年間の出荷数量が発表されましたが、予感が的中してとうとう大逆転が起こりました。昨年の本格焼酎の出荷数量が前年よりも17%増加して52万6568klだったのに対して、甲類焼酎(輸入含む)は4%増加で52万522klだったのです。
大手メーカー中心の甲類焼酎に対して、本格焼酎は地方の中小企業がほとんどです。日本を代表する蒸留酒として、名実共にトップに立ったことは地方分権への流れを象徴する出来事と言ってもよいのではないでしょうか。