春秋謳歌

第56回 食中酒の本格焼酎は血糖値を下げる!

第56回 食中酒の本格焼酎は血糖値を下げる!

倉敷芸術科学大学の須見洋行先生の研究により、本格焼酎には心筋梗塞、脳梗塞、虚血性心疾患などを防ぐ血栓溶解能力を高める効果のあることが判明し、このことはマスコミを通じてひろく知られるようになったが、これに最近、本格焼酎の新たな効用が加わった。

 鹿児島大学大学院医歯学総合研究科と同大学焼酎・発酵学教育研究センター、高岡病院の3者の共同研究の成果である。6名の健常者に夕食時に、ビール、清酒、芋焼酎、水を飲んでもらい、血中のアルコール濃度、ブドウ糖濃度、およびインスリン濃度を測定したところ、食事の際に芋焼酎を飲むと血中のブドウ糖(血糖値)の上昇が他にアルコール飲料のみならず、対照の水に比べても有意に抑えられることが明らかになったのである。血中のアルコール濃度も他の酒に比べて低く、インスリン濃度も抑えられ糖代謝の改善が示唆された。この論文は今年4月、アメリカの科学技術誌「Peer J」に掲載された。

本格焼酎は食中酒として飲まれ、酔いざめがさわやかで、二日酔いしにくい健康的な酒として知られているが、この研究成果は食中酒としての焼酎に科学的な裏付けを与えたものといえる。本格焼酎は糖質やプリン体を含まない(春秋謳歌(47)「健康を考えるなら本格焼酎」参照)だけではなく、血中アルコール濃度が急上昇しないので酔いがおだやかで酔いざめがよく、食事の際に芋焼酎を飲むと水を飲むよりも血糖値が低く抑えられることが明らかになったので健康的に酔いたい人や、なにより糖尿病を心配するひとには朗報である。おいしくて健康的となれば晩酌(ダレヤメ)の友として最強である。くれぐれも飲みすぎにはご注意を。

血中アルコール濃度と血糖値(Peer J (April 4, 2016, PubMid 27069795)掲載図を一部加工)

血中アルコール濃度と血糖値(Peer J (April 4, 2016, PubMid 27069795)掲載図を一部加工)

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